沖縄移住で付きまとう沖縄のエアコン事情
常夏の島沖縄。夏の気温は常時30度以上になり、夜でも気温が25度を下回ることはほとんどありません。
日中は日差しを避けたり、飲み物を飲んだりして暑さ対策をすることが出来ますが、就寝中は意識がないので知らぬ間に脱水症状や熱中症になってしまうこともあります。
そういった危険が叫ばれる昨今、今やエアコンは生命維持装置といっても過言ではありません。
が、その生命維持装置が新品でも壊れる事が稀(まれ)にあります。
1年以内に故障した場合はメーカー保証で治せますが、保証期間が切れて故障した場合は体だけでなく財布の死活問題にもなりかねません。
では、なぜ沖縄のエアコンは短期間で壊れることがあるのでしょうか。
実は短期間で壊れる原因が断トツで『ヤモリ(沖縄方言でヤールー)』によるもので、ついで『塩害』によるものが挙げられます。
沖縄とヤモリの関係
皆さんはヤモリと聞いてどう思いますか?
大半が『気持ち悪い!』でたまに『可愛い~♡』との意見があるかと思いますが、私は正直苦手です。
あの透き通ったボディ、暗闇から聞こえる『キッキッキッ』という泣き声、ヤモリから切り離されて独り暴れるシッポ…
私の息子が3才の頃にラムネと思って食べたのがヤモリの卵だった(!)という衝撃的な事件もありました。
様々な経験が相成って、私は正直ヤモリを愛する事が出来ません。
しかし!
沖縄では『ヤモリ=家守』として、家の守り神として言い伝えられています。
その大きな理由として、家に集まる蚊・ハエ・ガ・ゴキブリなどの虫を食べる事が挙げられます。
またヤモリは基本的に夜行性なので昼間は物陰に潜んでいて、夜に皆が寝静まった頃に家を守ってくれています。
ですがどうしても嫌な時は日用品店などで『ヤモリを殺す道具はありますか?』ではなく『ヤモリを追い出す道具はありますか?』と優しく聞くようにして下さい(笑)
沖縄のエアコン事情
ヤモリ編
そんな家を守るはずのヤモリがエアコンを壊してしまう事例が数多くありますが、壊れる場所はエアコン本体ではなく室外機が主なのです。
ヤモリは75%が水分で出来ていて、驚くと体から水が出るという性質があります。
またヤモリは夜行性で暖かい所が好きなので、エアコンの室外機はヤモリにとって絶好の住み家になります。
そんなヤモリが室外機の隙間から約24Vの電圧が流れている基盤に侵入します。基盤に流れている電流にヤモリが驚いて、体から出た水が基盤に流れショートしてしまいます。
また基盤部分は温かいので、ヤモリが入り込み卵を産み付ける事があります。その後孵化したヤモリの子供が基盤部分から出れずに死んでしまい基盤を故障させてしまうという事もあります。
こういった事などが、ヤモリがエアコン故障させる大きな原因になります。
参考:クーラーにヤモリ侵入/電子回路を破壊/故障原因のワースト1(琉球新報)
塩害編
海に囲まれた沖縄は塩害とは切っても切れない関係にあります。
海のそばに住んでいると室外機はどんどん腐食していきますが、海のそばに住んでいなくても台風などが運んできた海水によって錆びる事もあります。
一概には言えませんが室外機は約5年程度で腐食していきますので、台風などの後はこまめに室外機を洗い流す事が必要になります。
しかしそれだけでは塩害対策は十分とはいえず、 塩害故障も室外機が主な原因になります。
沖縄エアコン事情の救世主
沖縄のエアコンには①対塩害使用エアコン、②ヤモリガード付きエアコン、③基板コーティングエアコン、(全面シリコンコーティング)④左記3大使用を全て備えるエアコンがあります。
①対塩害使用エアコン
ネジやボルトはステンレス製やニッケルメッキ処理をしています。また外装・底板・脚部・熱交換機は耐食性の高い素材を使用し雨や海水、潮風などによる錆から守ります。
②ヤモリガード付きエアコン
室外機の端子台部分にヤモリ侵入を防ぐカバー設置、故障の原因を未然に防ぎます。
③基板コーティングエアコン
プリント基板全面にコーティング。絶縁劣化による故障を防止します。
様々なメーカーが沖縄で販売する際には、このように沖縄仕様に変更して販売しています。
よく県外からエアコンを持ち込みたい方もいると思いますが、このような事例をよく理解した上でご判断ください。
新品を購入するか、もしくはそのまま利用して故障した際に買い換える形でも良いかと思います。
エアコンと共に楽しい沖縄生活を!