救急医療情報 ~沖縄ではたらい回し問題がほとんど見られない理由~

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沖縄移住のときに、忘れてならないのが「医療環境」です。単身ならまだしも、子供を伴って移住となれば必須になります。
本島、南部・中部は心配することはほとんどありませんが、北部や一部の離島は診療体制が不十分なことも多いので移住の際はその場所の市町村なりに問い合わせてどのようなサポートがあるのか確認することを強く薦めます。(医療ヘリコプター・MESH という救急体制が離島に向けてがありますが資金難にていつストップするかわからないのが現状です )
さらに、北部や一部の離島は医師不足も度々問題として取り上げられることもあり、産科や小児科など必要なら情報を集めることが必要になります。
特筆すべきは中部の救急医療の厚さ。とりわけ沖縄市はアクセスできる救急病院が3つもありそれぞれ救急車で10分圏内という近さ。ゆえに受け入れ態勢にほとんど不安がありません。
*この記事の下に「救急・夜間・休日診療情報」を添付してあります。ぜひ参考にしてください。

沖縄県は救急受け入れ拒否が全国最下位

このことについて少し詳しく書いておきます。

沖縄県と日本(沖縄以外)では救急医療の体制がそもそも違う

日本
日本の救急医療システムは一次救急、二次救急、三次救急と、患者さんの重症度に応じて、病院が指定されています。 内地ではこの分類に従って、患者さん自身または救急隊が重症度を判断して、受診する病院を決めることになります。なので、受け入れができるできないが発生するため拒否の問題、指定病院間の距離が遠くなるなどの問題が出てきます。

沖縄
沖縄県は戦後、アメリカの統治下にあり、アメリカの医療体制を元にしていたため、24時間、365日受診でき、重症度に関わらず一次から三次まで対応できる、 いわゆる「ER」を基本とした体制となっています。なので、基本的に受け入れ拒否は発生しにくいシステムになってます。
他県でも、徐々にER体制を取り入れるところが出てきてますが、まだ少ないようです。

014

 

↓頼もしい沖縄県立中部病院の、たらい回し問題についての解答

中部病院ホームページより引用

質問:沖縄では”たらい回し”がないと、新聞で報道されていました。

内地での患者受け入れができないという理由の一つにベッド満床が上げられていますが、 中部病院が満床になると”たらい回し”となるのではないでしょうか。

回答

救命救急センターには診察後、経過観察を必要とする患者さんのためにベッドが20床備えられております。 症状軽減した患者さんは帰宅となりますが、さらに治療や検査が必要と考えられる患者さんは一般病棟に入院となり、移動していただきます。 その一般病棟が550床ということになります。 一見たっぷりベッドに余裕がある印象があるようですが、実際は治療入院中の患者さんが沢山おられ、利用できるベッドは限られているのです。 だいたい、毎日40名の患者さんが退院されて空きベッドが出ます。 そこに外来から約20名入院され、救命救急センターからも20名の入院があります。 従って救命救急センターからの入院患者さんが多くなった場合には”中部病院が満床で入院が出来ない”ということになります。 しかし、われわれは先輩方から引き継がれた「空きベッドは作るもの」のポリシーのもと、あらゆる手段を尽くして、重症患者さんを受け入れるための空床を確保します。 そのために以下のようなことを行っています。

病気がよくなり退院間近の患者さんへの繰り上げ退院依頼
(申し訳ありません。無理なお願いをいつも快くお引き受け頂きありがとうございます)
状態の落ち着いているものの経過観察のため入院が必要な患者さんには転院紹介(紹介をしていただいた病院へ逆紹介等)
入院紹介先病院から中部病院への転院の延期依頼
本院の外来から予定入院患者さんへの入院延期
どうしてもベッドが確保出来ない場合には責任を持って他病院に紹介
このように、たとえ満床状態であったとしても、我々は中部地区の、また、沖縄県の救急医療の最後の砦として、 緊急の患者さんは受け入れる努力を続けております。
患者さんにもご協力を頂きたいことがあります。 医師が診察した後、重症でないと判断された患者さんに関しては、中部地区内外の病院へ転院して頂く場合があること、 非常に患者さんが多い時は待ち合いのソファーや簡易ベッドなどで経過観察を行う場合もありますのでご了承頂きたいと思います。

 ERについての参考リンク

日本救急医学会ER検討委員会

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救急・夜間・休日診療情報
*沖縄県ホームページより引用

急な病気やケガの時に役立つ救急・夜間・休日の診療情報はこちらで。
診療科目の表記については、「内:内科」「小:小児科」「外:外科」「整:整形外科」「産:産婦人科」「脳:脳神経外科」「循:循環器科」「心:心臓血管外科」「泌:泌尿器科」となっています。
※診療時間、診療科目など変更されている場合もございますので、必ず各医療機関へお問い合わせ下さい。
※夜間・休日・救急時には、当直医によって診療科目が異なりますので、必ず医療機関へお問い合わせ下さい。

那覇・浦添エリア

医療機関名 TEL 診療科目 診療時間
沖縄赤十字病院 098-853-3134 内・小・外・整・
産・脳・泌
救急指定
那覇市立病院 098-884-5111 内・小・外・整・
産・脳・泌
救急指定
大浜第一病院 098-866-5171 内・小・外・整・
循・脳・泌
救急指定
牧港中央病院 098-877-0575 内・循・心 救急指定
浦添総合病院 098-878-0231 内・小・外・整・
産・循・心・脳
救急指定

南部エリア

医療機関名 TEL 診療科目 診療時間
豊見城中央病院 098-850-3811 内・循・外・整・
泌・産
終日
沖縄協同病院 098-853-1200 内・小・外・整・
産・循・心・脳・泌
急患は随時
南部徳洲会病院 098-998-3221 外・救急部 17:00〜9:00
沖縄第一病院 098-888-1151 内・小・外・整・
循・心・泌
急患は随時
与那原中央病院 098-945-8101 内・外/
循・外
9:00〜18:00/
18:00〜24:00
沖縄県立南部医療センター
こども医療センター
098-888-0123 医療機関へ
お問い合わせ下さい
終日

中部エリア

医療機関名 TEL 診療科目 診療時間
海邦病院 098-898-2111 内・小・外・整 月-土 9:00〜17:30
(木は9:00〜12:00)
宜野湾記念病院 098-893-2101 内・外 終日
中部協同病院 098-938-8828 9:00〜24:00
中部徳洲会病院 098-937-1110 内・外・整・脳・
循・心・泌
終日
県立中部病院 098-973-4111 内・小・外・整・
産・脳・循・心・泌
終日
中頭病院 098-939-1300 内・外・循 終日
ハートライフ病院 098-895-3255 内・外・整・脳・循 終日

北部エリア

医療機関名 TEL 診療科目 診療時間
北部地区医師会病院 0980-54-1111 内・外・整・
心臓血管外科
終日
県立北部病院 0980-52-2719 内・小・外・整・
脳・循
終日

宮古・八重山・離島エリア

医療機関名 TEL 診療科目 診療時間
宮古休日・夜間救急診療所 0980-72-2008 医療機関へ
お問い合わせ下さい
(平日)18:00〜24:00
(土日祝祭日)14:00〜24:00
公立久米島病院 098-985-5555 内・小・外・整 終日
宮古島徳洲会病院 0980-73-1100 内・外・整・脳・心 救急指定
沖縄県立八重山病院 0980-83-2525 内・小・外・産・
整・脳・循・泌
救急指定
石垣島徳洲会病院 0980-88-0123 内・外・整・循・泌 救急指定
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