沖縄発祥の武道スポーツ”空手”。
沖縄で生まれ沖縄で育ち、そして日本だけではなく世界の人々を魅了している。
しかし、『聞いたことはある』または『見たことはある』という方は多いかもしれないが、実際にどういうものなのか?詳しく知っている人は少ないと思う。
恥ずかしながら私もその中の一人である。
今回、10月25日の”空手の日”を迎えるにあたり、改めて”空手の魅力”について発信していきたいと思う。
沖縄は空手発祥の地
空手は日本で300万人、世界では165カ国約4000万人もの人が行っていると言われています。
そのため、数ある武道の中でもメジャーな分類になります。
空手はここ沖縄の地で生まれ、研鑽され、日本・世界へ広がりました。
琉球王国成立以前の三山時代、中国との交易などで武術に接した者の影響も受けながら、ウチナーンチュとしての武的感覚で突き・蹴りを始めるようになった事が、沖縄での空手・古武道の始まりと言われています。
この琉球発祥の徒手空拳は、島津侵入後の武器統制などによりさらに昇華され、『手(てぃー)』と呼ばれる武術に発展するようになります。
そして、時代を重ね『唐手(とうでぃー)』と呼ばれるようになり、さらに『唐手(からて)』、そして現在の『空手』へと名前を変えながらもずっと受け継がれています。
武道である空手で最も大切なことは、礼儀を重んじるという点です。日本空手松涛連盟の基本理念である空手道二十訓の最初に「礼に始まり礼に終るのを忘れるな」という心得があります。
空手の種類
空手には大きく分けて2種類あります。
〈伝統空手〉
古くからの空手を伝承しているもので、試合はいわゆる「寸止め」で行います。キックボクシングなどとは違い、相手に当たる寸前で突きや蹴りを止めます。
〈実戦空手〉
いわゆる「フルコンタクト」。他の打撃系格闘技と同じで相手に直接打撃を加えることができます。団体によって異なりますが、おおよそのルールとしては素手素足で試合を行います。そのため、素手での顔面への攻撃は危険なので禁止されている場合が多いです。
※一部の団体では”顔面有り”というルールもあるようですが、ほとんどの場合はそれを禁止しているそうです。
帯の種類
帯の種類(色)は、各流派・団体によって異なります。一般的には白が弱くて黒が強いというイメージがありますが、実際はどうなのでしょう?
代表とされる2団体の帯の色を表にまとめてみました。帯の色はイメージ通りでしたが、必ずしも”強い”から昇級できるということではなく、空手の基本的な『礼儀』が出来ていなければどんなに強くても昇級はできないそうです。
10月25日は”空手の日”
平成17年3月、沖縄県議会において、10月25日を『空手の日』とすることが決議されました。これは”空手”の表記が公式決定されたのが昭和11年の10月25日だったことにちなんだものだそうです。
制定当時の決議文を一部抜粋してみると、
空手には「空手に先手なし」という偉大な哲理と「ヌチドゥ宝」の生命尊重の思想を根本理念とする「平和の武」があり、今日の国際社会からますます求められ、貢献を広げていくものと確信する。
よって、本県議会は、沖縄伝統の空手が今後ますます発展し、世界の平和と人々の幸福に貢献することに願いを込めて、「10月25日」を「空手の日」とすることを宣言する。
空手を通じて、世界の平和や人々の幸福に貢献することに願いを込めて、、、
と沖縄から世界へ向けての願いも込めており、空手の注目度の高さ・関心度の高さがうかがえます。
空手の日記念演武祭
日時:2015年10月25日(日)
時間:14:00~16:30
場所:国際通り てんぶす那覇前広場
【第1部】14:00~15:00 代表者演武
【第2部】15:30~16:30 2,000名の空手家による一斉演武
最後に
世界で4000万人いると言われている空手愛好家たちの”空手発祥の地沖縄”への注目度は年々高まっている。
毎年、海外から多くの修行者が沖縄を訪れ、なかには空手だけを目的に沖縄へ移住する外国人修行者も居るそうだ。
現在、オリンピックの競技種目採用に向けて活発に活動しているが、これをきっかけに沖縄の文化や魅力を世界中の人々へ発信できる良いきっかけになることを祈っています。
沖縄在住であれば是非行ってみたいイベントのひとつである「空手の日 記念式典」。
時間がある方はぜひ足を運んでみてはどうだろうか。